2018/11/21

今月頭にheの解散ライブへ行ってきました。
もう何年も聞いているバンドの最後の姿を見に行こうと、何よりも優先されるべき事項でした。それくらいの熱量で。


音楽が好きな方にとっては、
日本のインディーズシーンが特異性を持っているということはもはや周知の通りです。
多分、どこの国のシーンを見てもこんなに素晴らしいシーンは無いと、いや、無かったのでは、と感じています。

今じゃもうなんとも言えないですけどね。笑

特に、2000年代は戦国時代だったと思います。
ジャンルという壁が壊れ、1曲の中で多くのテイストがねじ込まれていたり展開がエゲツなかったり。
演奏する側だけではなく、リスナーの耳もここら辺から偏りがなくなっていった印象。
(例えば、対バンを全く知らなくてもライブを見て好きになったりとかいうフラットな見方ができる人が増えた)
SNSもこの時期から出来始めましたもんねぇ…

だから、というか。
ライブハウスの中も結構険悪というかバチバチしたムードが漂っていたり(これはこれで必要だったと僕は考えています)、
毎週のように「楽しめる」バンドが来て、地元バンドがツアバンを食い散らかすこともありました。もちろん、返り討ちにあうことも。笑
今みたいに動画というコンテンツが無かったので、リアルな熱がライブハウスという現場にあったような気がします。

この頃、エモいやらシャレオツやら優勝という単語が生まれみんながこぞって使い始める。笑
どれがエモい、シャレオツとかはもちろん人それぞれだし、ピンキリ。
中途半端なものも多かったんだけど、heはぶっちぎりで「バランスが良かった」バンド。
テクニックを聞かせる楽曲や速い楽曲に寄りすぎず、メロディーも聴きやすくて作品ごとにブレが無い。
僕はこの点がすごいな、と思っていた。
メロコアと呼ばれるジャンルがメインストリームの中、そのスタンスを崩さず芯のある楽曲をリリースし続けるというのがどれだけ難しいか。
途中からツインボーカルに変更していったのも驚いた。変更したのに、雰囲気が崩れない。
なんだこのバンド、鬼か。

…と、まぁ言葉では伝えきれないほど好きなわけですよ。
(ちなみに僕が最もバンドはheとTRIBAL CHAIRの2択です。多分これを覆すバンドは出てこない)
そんなheがどんなライブをするか期待していったんですけど。

1曲目からボーカルが泣くという。笑笑
人間味が溢れているのが、この瞬間でわかります。笑
heを一番好きなのはheであって、それを終わらせるのも自分たち。
当たり前なんですけど、今の僕たちが忘れかけてる感覚かもしれませんよね。
動画が上がっているからいつでもアクセスできる、とか、本当の好きがよくわかんなくなってたりとか。
インスタントな世界に染まりきってるからこそ、画面を通さないリアルな場面を大切にしたいと日頃から感じています。

この日は湿っぽい空気が本当になくて、heが解散したという実感すらも湧いてこないようなハートフルな時間だったなぁと。
正直にいうと、これがツアーの中盤とかだったら「おいおい、こんなんでツアー回って大丈夫か?」って感じだったんだけど。笑
それを加味しても余りあるような空気感が最初から最後まで、会場全体を包んでいるようでした。
もう一回対バンしたかったなぁと、すごい寂しい気持ちにもなったけど。

好きなバンドがどんどん解散していくし、そろそろいないんじゃないかっていう。笑
ただ盛り上がる楽曲はいらないし、誰かにとって深い意味のある楽曲を作っていきたいなと考えた時間でした。
行ってよかったというのはもちろん、
これから自分たちがどんな活動をしていけるのか、というのを考える時間にもなりました。

15年間のお疲れ様と感謝を!!!